問題01 ×

アメリカ精神医学会により1994年に作成されたDSM-IV(精神疾患の分類と診断の手引・第4版)に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 診断の一致率を高めるために操作的診断基準を採用している。
2「器質性」あるいは「機能性」というように病因に基づく分類を積極的に取り入れている。
3 診断に際しては、横断的な症状を重視している。
4 臨床疾患の診断以外の要因として、一般身体疾患や心理社会的及び環境的問題などを評価する多軸診断を採用している。
5[神経症]という分類を廃止している。



問題02 ×

精神障害や症状とその主な成因に関する次の組み合わせのうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 失認-------------内因
2 解離性運動障害-----外因
3 神経性無食欲症-----外因
4 双極性感情障害(蹄うつ病)--- 心因
5 ガンザー(Ganser)症候群---心因



問題03 ×

精神症状と精神障害に関する次の組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 思考錯乱---多動性障害
2 連合弛緩---アルコール依存症
3 妄想知覚---躁病性障害
4 感情失禁---脳血管性認知症
5 情動麻痺---うつ病性障害



問題04

次の記述のうち、「身体表現性障害」の下位分類である「身体化障害」と「心気障害」に共通してあてはまるものを一つ選びなさい。
1 経過は通常、慢性的で動揺性である。
2 典型的な症状は失立、失歩、失声である。
3 強固な心気妄想が背景にある。
4 「心理的なものが原因である」と説明されると、患者は納得する。
5 検査で身体的異常が見いだせないことが判明すると、症状が消失する。



問題05

次のうち、双極性感情障害(躁うつ病)の躁病相とうつ病相のどちらでもよく認められる症状を一つ選びなさい。
1 観念奔逸
2 自我障害
3 行為心迫
4 妄想着想
5 睡眠障害



問題06

次のうち、神経性無食欲症にみられる所見として、正しいものを一つ選びなさい。
1 過多月経
2 産毛の密生
3 頻脈
4 低コレステロール血症
5 高体温



問題07

知的障害に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 精神薄弱という用語は、平成11年に知的障害に改められた。
2 知的障害を有する人は、身体的、性的虐待を受ける危険が高いとされている。
3 軽度知的障害では、自分の身の回りや家庭内のことは自立してできることが多い。
4 知的障害のIQは80以下である。
5 中度知的障害では、大人になって完全に自立した生活ができる人は稀である。



問題08

次のうち、ナルコレプシーの症状として、誤っているものを一つ選びなさい。
1 情動性脱力発作
2 睡眠麻輝
3 入眠時幻覚
4 睡眠発作
5 睡眠時の無呼吸



問題09

次の事例について、最も可能性が高い診断名として適切なものを一つ選びなさい。
  〔事 例〕
  10歳の男児。小学校入学時、目をパチパチしたり、顔をしかめたりする動きが始まったが1年後に自然に改善した。しかし、1年前から目のパチパチする動きが再燃し、さらに、頭を振ったり、肩をゆすったりするようになった。最近、「あっ」などと意昧のないことを言うばかりでなく、「ばか」、「死ね」などの言葉を発するようになった。
1 てんかん
2 多動性障害
3 行為障害
4 ドゥ・ラ・トゥーレット(de la Tourette)症候群
5 アスペルガー症候群



問題10

事例について最も可能性が高い診断名として適切なものを一つ選びなさい
  〔事 例〕
  63歳の男性。3年前に定年退職後、自宅で日中から飲酒することが多くなった。2年前に肝機能異常を指摘されたが、1か月間の断酒で肝機能は改善した。医師から酒を飲み過ぎないように勧められたが、すぐに昼間から飲酒するようになった。10日ほど前から衰弱し飲酒もできなくなり、応答が鈍い、物が二重に見える、歩行時のふらつき等の症状が次第に目立つようになったことから、家族に連れられて来院した。
1 振戦(しんせん)せん妄
2 病的酪酎(めいてい)
3 ウエルニッケ脳症
4 コルサコフ症候群
5 ウイルソン病




問題11

発達障害者支援法に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 学習障害は、発達障害に含まれる。
2 18歳未満は本法の対象ではない。
3 都道府県及び市町村に、家族への支援を求めている。
4 市町村に、発達障害の早期発見を促している。
5 都道府県は、発達障害者支援センターを設置できる。



問題12

アルコール関連問題に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 アルコール依存症は自殺と関連が少ない。
2 アルコール依存症者の多くは、医療機関で治療を受けていると推測されている。
3 ICD-10によるアルコール依存症の診断は、アルコールを中止若しくは減量したときの離脱症候群の出現が必須である。
4 アルコール乱用による社会的費用とは、医療費だけでなく、生産性の低下、事故、社会福祉プログラムなどの費用を含む。
5 アルコール関連問題対策は、専門医療機関で治療を提供することである。




問題13

児童・思春期の精神保健に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 児童相談所設置の根拠法は、児童福祉法である。
2 児童相談所における児童虐待相談対応件数は、近年増加している。
3 高機能自閉症は、社会的関係の形成に障害が少ないものをいう。
4 文部科学省の調査によれば、不登校児童生徒が在籍者に占める割合は、小学校より中学校が高い。
5 スクールソーシャルワーカーの活用が、国の事業として始まっている。



問題14

職場におけるメンタルヘルスに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 労働基準法には、産業医の選任に関する規定がある。
2 労働基準監督署には、長時間労働者への直接指導が義務づけられている。
3 事業者は、[心の健康づくり計画]を策定し、実施する必要がある。
4「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、「セルフケア」、「家族によるケア」、「ラインによるケア」が行われることが重要であるとしている。
5 健康情報を含む労働者の個人情報は、人事労務管理部門との間で完全に共有する。
(注)「労働者の心の健康の保持増進のための指針」とは,労働安全衛生法の規定に基づくものである




問題15

こころの健康についての最近の施策に関する次の組み合わせのうち、関係の乏しいものを一つ選びなさい。
1 ポストベンション-----職場における自殺の予防と対応
2 アルツハイマー病-----地域包括支援センター
3 こころの健康力-----新健康フロンティア戦略
4 日本司法支援センター(法テラス)-----犯罪被害者等基本法
5 発達障害者支援センター-----男女共同参両社会基本法



問題16

我が国の自殺に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 中高年男性の自殺の原因の第一位は、家庭問題である。
2 硫化水素による自殺では、二次被害が問題になった。
3 ここ数年、高齢者の自殺が急増している。
4 自殺死亡率は、都道府県の間でほとんど差がない。
5 20歳未満の自殺者数は、全自殺者数の10%以上である。



問題17

次の記述のうち、認知症の医療と生活の質を高める取組と関係の乏しいものを一つ選びなさい。
1 医学的に診断された認知症の有病率調査
2 就労支援ネットワーク
3 自殺対策
4 精神保健観察
5 認知症サポーター



問題18

最近の精神科医療に関する次の統計数値のうち、最も大きいものを一つ選びなさい。
1 精神病床数
2 患者調査による「精神遅滞を除く精神関連疾患」の推計外来患者数
3 1年間に新たに入院する患者数
4 1年未満の在院患者数
5 平均在院日数



問題19

精神科病院の在院患者に関する次の統計数値で、近年増加傾向にあるものを一つ選びなさい。
1 在院患者に占める「65歳以上」の割合
2 在院患者に占める統合失調症の割合
3 在院期間が「1年以上5年未満」の患者数
4 在院期間が「20年以上」の患者数
5 任意入院患者数



問題20

患者調査に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 疾病分類は,ICD-10とDSM-IVを併用している。
2 病院は入院のみ,一般診療所は外来のみ調査される。
3 退院可能性は調査されない。
4 退院患者平均在院日数が算出される。
5 精神病床は、精神疾患を有する者が入院している病床をいう。



問題21

精神障害者地域移行支援特別対策事業に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 退院し地域移行を果たした在宅精神障害者を対象に「‾精神障害者退院促進支援事業」を補完する事業として、平成20年度より実施された。
2 対象者の決定、体制整備のための調整、困難事例の解決に向けた調整、事業の評価等のために、市町村に協議会を設置する。
3 精神保健福祉士等で、精神障害者の地域生活への移行に必要な体制整備の総合調整の能力を有する者を、地域体制整備コーディネーターとして相談支援事業者等に配置する。
4 対象者の個別支援等に当たる精神保健福祉士等を、相談支援専門員として相談支援事業者等に配置する。
5「医療観察法」に基づく指定入院医療機関に入院中の対象者については、生活環境の調整は退院に向けては社会復帰調整官が担い、退院後は地域体制整備コーディネーターが担う。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。



問題22

統合失調症の経過及びアプローチ(作業療法)に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 統合失調症の回復過程において、疲弊・エネルギー消耗が顕著に出現するのは、寛解期後期である。
2 ブライアー(Breier,A.)らは統合失調症の予後について、人生の後半に緩やかに改善する時期を迎えるという生涯経過を示した。
3 統合失調症の回復過程において、臨界期を経た直後には、少しずつ集中力も出てきて、活動性が向上してくる。
4 入院早期の作業療法導入には、作業療法室の個室を使用し、病棟内やベッドサイドでは行わない。
5 作業療法は、対象者の精神症状が急性期の要安静期及び亜急性期においては行わない。



問題23

家族心理教育及び行動療法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 家族教育プログラムにおける心理教育では、家族に対して疾病の理解から治療方法までの心理学的知識を提供することにとどめる。
2 家族に介入する目的は、「家族のゆとりや対処技能を高める」ことよりも、[家族の不適切な行動を修正する]ことが強調されている。
3 行動療法でいうモデリングとは、本人に対する直接的な条件付けに加えて、他者の行動を観察したことか学習する方法である。
4 ロミアの生理学者パブロフ(Pavlov,I.)が研究開発した古典的条件付けは、別名オペラント条件付けとも呼ばれる。
5 入院生活技能訓練療法は、行動療法の理論に裏付けられた一定の治療計画に基づく治療法である。



問題24

精神科リハビリテーションの歴史的事項に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 1950年代、アメリカのグリーンブラット(Greenblatt,M.)は、「部分入院」の概念の下に地域への移行ステップを示した。これにより、クラブハウスが各地に広まった。
2 1963年、アメリカではケネディ大統領教書により脱施設化か打ち出され、大規模州立精神科病院が閉鎖された。それに伴って「回転ドア現象」が生じた。
3 1960年代,イギリスのウイング(Wing,J.)は、「施設症」(二次障害)を発見した。これを基に各地でデイケアが開始された。
4 1980年代、アメリカのリバーマン(Liberman,R.)は、「ストレスー脆弱性‐対処技能モデル」を提出した。これによりハーフウェイハウスが各地に設けられた。
5 1990年代、ニューヨークのファウンテンハウスのグループは、ACT(包括的地域生活支援プログラム)モデルの原型を作った。これにより包括的なケアマネジメントのノウハウが確立した。




問題25

医療機関において実施されている様々療法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 作業療法では,日常生活関連活動や創作・芸術活動の他、社会生活関連活動も「作業」ととらえてリハビリテーションの手段として用いる。
2 集団精神療法のセッション終了後に、スタッフは経過を振り返り、考察するシェイピングを行う。
3 我が国の精神科病院において、レクリエーション療法を最初に用いたのは加藤普佐次朗である。
4 集団精神療法におけるシェアリングとは、通常はサイコドラマの実演と展開の前に行う。
5 社会生活技能訓練における情報処理の段階は、「受信技能」と「送信技能」の二つに大別される。



問題26

精神障害者に対する社会資源や支援サービスに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 障害者自立支援法でいう就労移行支援事業所をA型,就労継続支援事業所をB型と呼ぶ。
2 障害者試行雇用奨励金は、諸条件を満たして試行的雇用を受け入れた事業主に対して、原則6か月間を上限として支給される。
3 平成19年12月時点の調査で、グループホームの3障害別利用者数比率では,精神障害者の方が知的障害者よりも低い。
4 地域活動支援センターには,I型とⅡ型の2種類がある。
5 地域活動支援センターI型では、1日当たりの実利用者数が10名以上である。



問題27

次の記述のうち,WHOの障害者リハビリテーションの4側面を示したものとして、正しい
ものを一つ選びなさい。
1 医学的,教育的,職業的,福祉的
2 医学的.職業的,福祉的,社会的
3 健康的,社会的,福祉的,心理的
4 医学的,教育的,職業的,社会的
5 医学的,心理的,教育的,福祉的



事例問題

 長期在院患者の地域移行支援に関する次の事例を読んで、問題28から問題30までについて答えなさい。
〔事 例〕 
 Hさん(男性、45歳)は、19歳で発病してから、入退院を繰り返している統合失調症の患者である。前回退院時に、服薬を怠り、自宅で両親に暴力を振るったことから入院となり、既に今回の入院は15年を経過している。
 この間に、父親は死去し、母親も持病により健康面の不安があるため、Hさんの弟夫婦が自宅に同居して母親の介護に当たっている。Hさんの病状としては入院を継続する必要性は乏しいため、主治医からは再三退院の話があがっている。しかし、家族の不安と抵抗は強く、自宅に帰る場所もなく、退院が具体化しないまま、任意入院が長期化している。
 Hさん自身としては、「退院はしたい。でも家には帰れない。一人で暮らしていく自信はない。どうしたらいいか分からない」と、消極的ながらも退院の希望を表明している。病棟担当のJ精神保健福祉士は、主治医をはじめとした他のスタッフと協議しながら、退院という目標を確認して今後の進め方を検討した。(問題28)
 Hさん自身の日常生活能力に問題はなく、衣類なども整理されており、小遣いを無駄遣いするようなこともない。若干の幻聴や妄想は残存するものの、病棟内の生活で大きく影響されることはない。病状も安定しており、対人関係のトラブルを起こすことは皆無で、作業療法にも参加している。ただし、病識が乏しいこともあり、服薬の遵守が課題と考えられた。また、長年の入院による施設症化により、社会生活能力の低下が顕著であり、開放病棟で自由に院外にも単独で外出できるにもかかわらず、病院の敷地内からは一切出ようとはしなかった。(問題29)
 その後、J精神保健福祉士の発案で、病棟の他の入院患者と共に施設見学に出かけ、Hさんは生活訓練施設やグループホームに強い興味を示した。「ああいう所なら、やっていけそう。一人じゃないし……」と述べるHさんの気持ちを大事にしながら、J精神保健福祉士は退院に向けてのプランを考えていくことにした。(問題30)



問題28

この段階でJ精神保健福祉士が取り組む事柄に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 他職種と意見交換を行い、Hさんの現在の生活状況や能力を確認しながら、どのような退院目標の設定か妥当であるか、今後の進め方を検討した。
B 退院後に要する外来通院医療費を軽減するために、「市役所に自立支援医療の申請
 手続を行った。
C 退院時の引取り義務が保護者となっていることから、Hさんの自宅への退院を受け入れるように、家族を説得するために強く働き掛けた。
D 消極的ながら退院希望を表明しているHさんと、何か不安で課題となっているか
 を明らかにし、信頼関係を築くために面接を行った。
(組み合わせ)
I A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 C D



問題29

この段階での取組に関する次の記述のうち、適切なものにし、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 統合失調症の疾病の特徴や抗精神病薬の効果と副作用等を、Hさん自身に少しでも理解してもらうために、心理教育的なグループヘの参加を勧めた。
B 職員が同行して病院から外出し、公共交通機関やスーパー・商店等の利用を体験させる、外出プログラムヘの参加を促した。
C 退院してから家事支援等が必要であると考えられたため、地元の社会福祉協議会に連絡を取り、日常生活自立支援事業の活用を依頼した。
D 主治医と協議して、幻聴・妄想を取り除く治療を優先することとした。
(組み合わせ)
  A B C D
I ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○



問題30

この段階でJ精神保健福祉士が取り組む事柄に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 精神障害者地域移行支援特別対策事業の委託支援事業者に連絡を取り、地域移行推進員に今後の協力を依頼した。
2 当事者であるHさんとその家族、病棟スタッフと共に地域の支援関係者にも参加してもらい、退院のためのケア会議を開催した。
3 退院に不安を示す家族と話し合うために担当看護師と共に、Hさんの自宅への精神科退院前訪問指導を実施した。
4 Hさんの意思を尊重しつつ、主治医の指導も受け、他職種と連携を図りながら、チームで退院支援計画を作っていった。
5 地元の保健所に連絡を取り、精神障害者社会適応訓練事業の利用を依頼した。



問題31

障害者の人権に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 1966年、国連総会で採択された「国際人権規約」は,市民的及び政治的権利に関するA規約と、経済的、社会的及び文化的権利に関するB規約からなっている。
2 1975年、国連総会において「障害者の権利宣言」が採択され、障害者は障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を持つものとした。
3 1982年、国連総会において「障害者に関する世界行動計画」を決議し、1983年から1992年までを「国連・障害者の十年」とした。
4 1991年、国連総会で採択された「精神病者の保護および精神保健ケア改善のための諸原則」では、すべての精神病者は可能な限り地域において生活し、働く権利を持つとした。
5 2006年、国連総会で採択された「障害者の権利条約」では、すべての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進するとした。  



問題32

 我が国の精神保健福祉の歴史に関する次の組み合わせのうち、適切でないものを一一つ選びなさい。
1 精神病者監護法(1900年)--地方長官の許可で監置
2 精神病院法(1919年)------公立精神病院の設置
3 精神衛生法(1950年)------精神医療審査会
4 精神保健法(1987年)------精神保健指定医
5 精神保健福祉法(1995年)--精神障害者保健福祉手帳
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。





問題33

障害者福祉の理念、精神障害者の人権に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 インフォームドコンセントは、1964年の世界医師会の「ヘルシンキ宣言」でまとめられたもので、医師が患者に適切と思われる検査や治療の方法についての説明に十分時間をかけて行い、説得するプロセスである。
2 ノーマライゼーションは、デンマークをはじめとした北欧において生まれた理念であり、広く社会福社の基本的な考え方として発展し、障害者自身が社会参加のために、生活能力を高めていくことを求めている。
3 アメリカやカナダにおいて、ノーマライゼーションの概念を推進したヴォルフェンスベルガー(WOlfensberger,W.)は、「人間の福利(ウェルビーイング)」の理念を主張した。
4 ミケルセン(Mikkelsen,B.)は、ノーマライゼーションという用語と考え方を、世界で初めて福祉政策の中に織り込んで行政に反映させたことから、ノーマライゼーションの父と呼ばれている。
5 ニィリエ(Nirje,B.)は、イギリスでの実践に基づいて「ノーマライゼーションの原理は、障害者が地域社会や文化の中で普通の生活が得られるように権利を行使することを意味する」と主張した。



問題34

精神保健福祉士法に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい
1 精神保健福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。精神保健福祉士でなくなった後においても同様である。
2 精神保健福祉士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との連携を保ち、主治医があるときは、その指示を受けなければならない。
3 成年枝後見人又は枝保佐人は精神保健福祉士になることはできない。
4 精神保健福祉士は、精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与する。
5 精神保健福祉士が、信用失墜行為の禁止条項に違反したときは、厚生労働大臣は、登録の取り消し、又は期間を定めて名称の使用の停止を命ずることができる。



問題35

受入条件が整えば退院可能(いわゆる社会的入院)な者に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 保健所法が地域保健法に改正(平成6年)され、保健所に精神障害者の退院促進にかかる業務を義務づけた。
2 総務庁行政監察局は監査報告書「ノーマライゼーションの実現に向けて」(平成8年)において,入院の長期化を指摘しつつ社会的入院の解消の促進について勧告している。
3「今後の精神保健医療福祉施策について」(平成14年)の基本的な考え方において、「受入条件が整えば退院可能」な約7万2千人の退院、社会復帰を図ることを取り上げた。
4 精神科病院に入院している精神障害者のうち、病状が安定しており、受入条件が整えば退院可能である者に対し、社会的自立を促進する目的で「精神障害者退院促進支援事業」(平成15年)に関する通知が出された。
5「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(平成16年)によって、「国民の理解の深化」、「精神医療の改革」、「地域生活支援の強化」の枠組みとそれぞれの推進を図る数値目標が示された。



問題36

精神保健福祉法における保護者の規定に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 保護者がないとき又は保護者が保護義務を行うことができないときは、その精神障害者の居住地の、居住地がないか又は明らかでないときは現在地の市町村長(特別区の長を含む。)が保護者となる。
2 保護者は、任意入院及び入院をしないで継続して医療を受けている者を除く精神障害者の財産上の利益を保護する義務がある。
3 保護者が数人ある場合において、その義務を行うべき順位は、配偶者、後見人又は保佐人、親権を行う者、それ以外の扶養義務者から家庭裁判所が選任した者である。
4 未成年者及び成年枝後見人又は被保佐人は保護者にはなれない。
5 保護者は、任意入院及び通院による者を除く精神障害者に診断が正しく行われるよう協力するとともに、医療を受けさせるに当たっては医師の指示に従わなければならない。




問題37

精神障害者保健福祉手帳に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 手帳の有効期間は2年であるが、その間でも精神障害の状態が変わった場合、障害等級変更の申請を行うことができる。
2 手帳の申請は、申請者の居住地を管轄する市町村(特別区を含む)を窓口とし、その判定は都道府県、指定都市の精神保健福祉センタ一で行われる。    
3 手帳の申請には、診断書又は精神障害による障害年金等給付を受けている年金証書の写しと精神障害者の写真等を添えて行う。
4 手帳の交付は申請主義であるが,委任状があれば本人以外に家族,医療機関の職員等が手続の代行をすることができる。
5 手帳を受けた者で、前年中の所得が一定額以下の場合、他の障害者と同様に、住民税の所得割は非課税になる。



問題38

入院制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合、本人の同意に基づいて入院が行われるよう努めなければならない。
2 急速を要し、一人の特定医師の判断において自傷他害のおそれがあると認められた場合、入院をさせることができる制度を緊急措置入院という。
3 医療保護入院で1年以上継続した場合及び以後2弁ごとに、入院目的や退院の可能性を再確認するため、保護者に入院継続の同意を得る必要がある。
4 応急入院の場合、精神科病院の管理者は、当該精神障害者に対し退院請求等、厚生労働省令で定める事項を書面で知らせ、自ら入院する旨を記載した書面を受け取らなければならない。
5 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の成立時に、仮入院制度が廃止された。



問題39

精神科病院に入院中の者の行動制限に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
l 身体的拘束を行う場合は、その理由、拘束を開始した日時、解除した日時をカルテに記載しなければならない。
2 措置入院者以外の入院者に対しては、信書の発受の制限、人権擁護関連の行政機関の職員、患者の代理人である弁護士との電話や面会を制限してはならない。
3 任意入院患者から退院請求があった場合、精神保健指定医が診察の結果、入院継続が必要だと認めた場合は、72時間を限り退院させないことができる。
4 隔離を行っている閉鎖的環境の部屋に、更に患者を入室させてはならない。
5 入院してきた患者すべてに対して、入院直後に一定期間一律に面会を禁止する措置は採るべきでない。



問題40

日常生活自立支援事業の援助内容に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 この事業の主な担い予は、地域包括支援センターである。
2 第一種社会福祉事業であり、様々なサービス利用は公費で賄われている。
3 財産の処分、介護保険の契約、医療保護入院の保護者等身上監護に関する事柄などを援助する。
4 福祉サービスの利用援助、苦情解決制度の利用援助、日常生活上の消費契約や住民票の届出等の手続などの援助を行う。
5 福祉サービス利用等具体的な援助は地域の介護支援専門員が担当する。



問題41

市町村障害者計画及び収町村障害福祉計画に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 市町村障害福祉計画を策定したときは、市町村はその計画を厚生労働大臣に提出しなければならない。
2 市町村障害福祉計画は、障害者基本法に規定されている。
3 市町村障害者計画は、身体障害者福祉法に規定されている。
4 市町村障害者計画の策定は、当該市町村の任意とされている。
5 市町村障害者計画を策定したときは、市町村長はこれを議会に報告するとともにその要旨を公表しなければならない。



問題42

障害者の就労に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 就労継続支援事業(B型)は、雇用契約を結んだ上で、事業所内において就労の機会や生産活動の機会を提供したり、就労への移行に向けた支援をする。
2 職場適応援助者(ジョブコーチ)は、地域障害者職業センターの配置耽社会福祉法人等に所属している1号、障害者雇用企業に所属する2号の3種類がある。
3 障害者試行雇用(トライアル雇用)事業は、3か月の期間を経過して常用雇用に至らなかった場合は契約期間満了による終了となる。
4 精神障害者総合雇用支援は、職場復帰に向けた精神障害者の同意に基づき、事業主、主治医等の連携によって実施される。
5 障害者の職業能力開発は、企業や社会福祉法人などに委託して行われることがある。



問題43

自立支援医療に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさし
1 自立支援医療費の自己負担額は3割であるが,月当たりの上限額が設定され、軽減措置が設けられている。
2 自立支援医療に基づく治療を行うことのできる医療機関は、市町村長が指定した精神科医療機関である。
3 自立支援医療費の支給認定の有効期間は、申請日から3年以内の必要な期間である。
4 自立支援医療費のうち精神通院医療に関する支給認定は、都道府県、指定都市で行う。
5 自立支援医療費のうち精神通院医療に関する審査判定は、精神医療審査会で行う。



問題44

障害者の雇用の促進等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 障害者雇用率制度の対象となる精神障害者は、精神障害者保健福祉手帳の所侍者が該当する。
2 障害者を五人以上雇用する事業所では、「障害者職業生活相談員」の選任を義務づけている。
3 法定雇用障害者数が一人以上となる事業主は、毎年6月1日現在の「障害者雇用状況報告書」を市町村に報告しなければならない。
4 障害者雇用支援センターは、支援対象障害者に対して、その障害及び程度に応じ、必要な職業準備訓練を行う。
5 障害者就業・生活支援センターは、職業生活における自立を図るために、就業及びこれに伴う日常生活上又は社会生活上の支援を行う。



事例

次の事例を読んで,問題45から問題47までについて答えなさい。
〔事 例〕
 Xさん(女性,45歳)は、大学受験に失敗して、浪人中に約2年間自宅で受験勉強をしているときに精神科診療所に受診し、統合失調症と診断されている。20代の後半には、病状が不安定で自殺企図もあったため約3年間入院した。
 その後、病状も安定していることが多く、Y病院に定期的に通院し、自宅で両親と暮らしていた。しかし、両親が続いて他界したことがショックで2年間任意入院していた。その間不穏になり、退院を希望したが当直の特定医師の判断で退院制限を受けたことがあった。(問題45)
 現在では、両親の亡くなった後に戻ってきた弟の家族(弟、弟の妻、姪)と同居して生活している。Xさんはすでに嫁いでいる妹とはほとんど連絡もしていない状態で、困ったときには弟の妻に相談することが多く食事や洗濯などの日常生活についても,金銭的な管理も弟夫婦にすべて頼っている状態である。
弟は過去に事業に失敗して自己破産宣告を受けたが、現在は復権している。Xさんは自分のもらっている障害基礎年金を、弟夫婦が管理していることに不満を持っていた。一方で、自分で管理したいがお金の使い方が分からないと悩むことが多くなった。世話になっていることを思うと自分の思いを弟夫婦に素直に言えず、Xさんは気分が落ち込み、こうしたきっかけで気分変動が激しくなり、弟の妻に攻撃的な言動が多くなり、時には暴力を振るうこともあった。主治医(精神保健指定医)から入院するように言われるが、Xさんは入院を拒否したため、弟に伴われ病院を受診し医療保護入院になった。(問題46)
 入院して2か月後、XさんはY病院のZ精神保健福祉士にお金の管理等の経済的な問題について相談したところ、Z精神保健福祉士がお金の管理について相談に乗ってくれた。(問題47)



問題45

Xさんの処遇に関する次の記述のうち,正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Xさんは任意入院のため,原則的には病院から自由に外出できる。
B Xさんは任意入院のため,自らの申出により退院できる。
C Xさんの退院制限は,特定医師の判断で始められたので、その後72時間以内に精神保健指定医が診察しなければならない。
D Xさんが、退院を希望してその旨を申し出る場合に、看護師や事務職員に口頭で申し出る場合にも、その「申出」は受け付けられる。

     A B C D 

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○



問題46

Xさんの弟に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、
その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Xさんは、弟に対して金銭の管理を任せたくないと考え始めており、信頼関係が成立していないと考えられるが、弟は保護者になることができる。
B 弟は、過去に自己破産宣告を受けていたが、今は復権しており、保護者になることができる。
C 弟は、まだ保護者の選任を受けていなかったため、扶養義務者としてXさんの入院に同意することができる期間は、3週間に限られる。
D 扶養義務者は、4親等以内の親族のうち、特別な事情がある場合に家庭裁判所が審判することによって扶養する義務が発生する者をいう。

     A B C D 

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × × ○



問題47

Z精神保健福祉卜によるXさんの金銭管理の相談対応に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一一つ選びなさい。
A 成年後見制度について説明を行い、Xさんの後見人の選任手続きを進め、今後の金銭管理を後見人に任せるように提案する。
B 弟との関係を修復するために、弟と話し合ってみることも大切であるから、家族関係の調整を提案する。
C Xさんを精神障害者地域移行支援特別対策事業の対象者に推薦し、将来的に、地域移行推進員に金銭管理を任せるように進めることを提案する。
D 日常生活自立支援事業を利用することができるので、社会福祉協議会に相談に行くことを提案する。
 
1 A C
2 A D
3 B C
4 B D
5 C D



事例

次の事例を読んで,問題48から問題50までについて答えなさい。
 〔事 例〕
  Eさん(男性,40歳)は大学卒業後就職し5年間勤務していたが、27歳の時、仕事のつらさや職場での人間関係の煩わしさから体調を崩し、M精神科病院に受診し統合失調症と診断されそのまま入院となった。
 以後、2度の入院中に仕事も辞めることとなった。今回は4度目の入院で、祝日であったため入院時に診察したのはG特定医師であった。(問題48)
  以前、Eさんは,両親と一緒に暮らしていたが、30代の後半、両親の援助を受けながらアルバイトをしつつ、近くでアパート暮らしを始めていた。しかし、両親が高齢になっていることや再入院の繰り返しのままではこれからの生活に見通しが持てないと考えるようになり、M精神科病院のI精神保健福祉士に相談をしてきた。I精神保健福祉士からは、先ず両親から離れ、自分での生活を考えてみてはどうかとの助言を受け、福祉事務所に何度か相談をし、生活保護の受給が決定された。そのことで、Eさんが不安に思っていた経済的な問題に見通しがついたので、Eさんは以前の入院で知り合ったJさんが利用しているグループホームで、地域での自立した生活にむけての基盤づくりをしたいと考えている。また、Eさんは、精神障害者保健福祉手帳の3級を所持しており、将来の就労に向けての準備のためのサービスも利用したいと考えている。(問題49)
  Eさんが利用したいと考えているグループホームは、M社会福祉法人が障害者自立支援法に基づく運営を行っている居住施設である。なお、M社会福祉法人では、グループホームのほか、自立した日常生活・社会生活の訓練を行う自立訓練サービスや一般企業での就労が困難な人たちに対して訓練を行う就労継続支援サービスを一体的に実施している。(問題50)



問題48

G特定医師に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 特定医師としての資格認定は、勤務しているM精神科病院の管理者の決定により行われたものである。
2 緊急その他やむを得ない理由がある場合には、72時間を限り、任意入院者の退院制限のための診察をすることができる。
3 緊急その他やむを得ない理由がある場合には、12時間を限り、医療保護入院を行うための診察をすることができる。
4 都道府県知事や指定都市市長の命により、措置入院のための診察を行うことができる。
5 緊急その他やむを得ない場合には、24時間を限り,応急入院を行うための診察をすることができる。



問題49

Eさんのサービス利用等に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A グループホームの利用には、市町村審査会において障害程度区分の判定を受けなければならない。
B 就労継続支援サービスを利用する場合、サービス利用科の自己負担はない。
C 生活保護による障害者加算は受けられない。
D グループホームと就労移行支援サービスを並行して利用はできない。
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
4 × × ○ ○



問題50

M社会福祉法人の事業に関する次の記述のうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A グループホームによるサービスを提供する事業は、共同生活介護といわれるもの
 である。
B 自立訓練サービスは介護給付に位置づけられている。
C M社会福祉法人のような複数のサービスを提供する事業形態を多機能型という。
D 就労継続支援サービスには,AとB型がある。

1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D



問題51

公的機関における相談業務に関する次の記述のうち、正しいものを一一つ選びなさい。
1 精神保健福祉センターが行う障害福祉サービス事業利用に関する相談は、精神障害者保健福祉手帳の所持が条件である。
2 市町村は、家族からの相談によって保護者の選任を行う。
3 市町村は、医療保護入院のための移送に関する相談を受け、実施する。
4 保健所は相談の結果、施設や自助グループ、関係機関への紹介、医学的指導、ケースワーク等を行う。
5 保健所は、精神障害者福祉に関する相談のうち複雑又は困難なものを行う。



問題52

次の事例を読んで、K精神保健福祉十のRさんへの援助に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
 〔事 例〕
 Rさん(女性、36歳)は、18歳のころに統合失調症の診断を受けている。障害年金と清掃のパートで得る収入とで一人暮らしをしているが、通販による衣類などの購入が増え、支払いが滞る状況になってしまった。近隣に住む母親と地域活動支援センターのK精神保健福策士の勧めで、1年前から日常生活自立支援事業を利用している。生活支援員が週1回銀行に同行し、生活費を2万円下ろすなどが支援内容である。その甲斐あって、少しだが預金もできている。しかし、最近、RさんがK精神保健福祉士に「私のお金なのに自由に使えないし、利用料もかかるなんて…。もう解約したい」と愚痴を言うようになった。  
              
1 Rさんの運営適正化委員会への申出を支援する。
2 Rさんの財産保護を目的に、後見類型を念頭において申立てを母親に勧める。
3 Rさんのニーズを再アセスメントし、事業の意義について一緒に検討する。
4 解約にならないようRさんの支援計画の変更を専門員に依頼する。
5 Rさんの判断能力を契約締結審査会で査定するよう手続をとる。



問題53

ケアホームにおけるリスクマネジメントに関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 事故を完全に未然防止するという観点から、入所者に均一なサービスを提供する。
2 災害発生時のためのマニュアルを作成し、ケアホーム内で研修を実施する。
3 事故やヒヤリ・ハット事例を収集して、事故防止に活用する。
4 事故の発生に備え、損害賠償保険に加入しておく。
5 事故後の対応に当たっては、事実を正確に整理・調査し、被害者に誠意ある態度で臨む。



問題54

精神保健福祉士を対象にインタビュー調査を企画した。その際に必要な倫理的配慮に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
I 調査への協力は任意であり、たとえ同意した後でも協力を辞退できることを口頭又は書面にて説明する。
2 録音されたテープは、鍵のかかる場所に保管し、分析終了後は速やかに確実な方法で消去・消却する。
3 データが外部に流出しないように、データ分析のためのパソコンはネットワークに接続しない。
4 インタビュー場面では録音・録画を行うことが多いが、その精神保健福祉士の同意が必要である。
5 インタビュー調査の目的を告げ、その精神保健福祉士の不利益にならないことを伝える。



問題55

グループワークの開始期に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 メンバーの問題解決に役立つ社会資源の情報を提供する。
2 メンバーに自己紹介を促し、参加理由を話してもらう。
3 否定的な気持ちや批判的な意見を自ら進んで話すよう促す。
4 サブ・グループを活用して、孤立しがちなメンバーに働き掛ける。
5 プログラム活動の計画と運営をメンバーに一任する。



問題56

家族会の役割に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 「家族の役割は支援・介護の担い手である」という自覚を高める。
2 会員の子どもが参加するセルフヘルプグループを保護する役割を持つ。
3 専門知識や支援の方法を習得する場を提供する。
4 組織運営のために専門職の指導下で活動を行う。
5 家族の要望を積極的に地域社会に伝えて行く。



問題57

次の事例を読んで、「医療観察法」による対応に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
  〔事 例〕
 Pさん(男性。33歳)は、統合失調症で、母親と二人暮らしであったが、妄想によって近隣の住民に対して他言行為を行った。「医療観察法」の対象となり入院となった。 1年後、退院の見通しが出てきたため社会復帰一整容の調整が始まった。ところが、母親が被害者のことを気にして、Pさんが家に戻ることを拒否したため、Pさんは母親の思いを酌み取り自宅への退院をあきらめた。社会復帰調整容は退院に向けて援助を開始した。退院後の通院医療の担当については、現在入院している指定入院医療機関とは別の指定通院医療機関に決まった。
1 社会復帰調整容が処遇の実施計画案を作成した。
2 社会復帰調整容が外出計画を関係機関に周知した。
3 保健所の精神保健福祉相談員が母親宅に訪問して、Pさんが家に戻れるよう説得した。
4 指定入院医療機関の精神保健福祉士が市役所へ相談に行くPさんに同行した。
5 指定通院医療機関の精神保健福祉士がケア会議に出席した。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。



問題58

精神保健福祉七の職業倫理に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 同僚がクライエントに不適切な対応をしていたので、クライエントに謝り、同僚の自覚を待つ。
2 クライエントから商品券を渡されたので、クライエントの気持ちに感謝し、受け取る。
3 クライエントから要求があったので、両親との面接記録を開示する。
4 クライエントから精神保健福祉士の業務について批判されたので、それに耳を傾け、改善に努める。
5 中学生のクライエントが妊娠したので、出産するかどうかを判断する。



問題59

チームアプローチに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 相互に意見を譲り合い、援助目的や方針を一致させていく。
2 異なる専門職がチームを編成して共通の目的を達成するために協力し合う。
3 支援チームでは、ピアサポーターなどの非専門職も含め対応する。
4 各専門職の役割や業務の明確化及び相互信頼が前提となる。
5 他の専門職からの勅旨を問題解決の契機とする。



問題60

次の事例を読んで、S精神保健福祉士のストレングス視点に基づく援助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
  〔事 例〕
  Eさん(女性、17歳)は,母親が望む大学受験と本人の希望との間で悩み、抑うつ状態が強くなって、昼夜逆転の生活になったことから精神科病院に入院となった。2か月後,病状や生活リズムに改善が見られ、Eさんの退院に向けて、カンファレンスが開催されることになった。S精神保健福祉士は、事前にEさんと面接を行った。Eさんは「美容師になりたい。高校の担任も主治医も応援してくれているんですけど…」と言葉を濁した。Eさん自身は、復学し、専門学校に進みたいと思っている。
1「将来は美容師」という長期目標を掲げた。
2 Eさんの同意を得て、高校の担任に連絡をとり、復学に向けて相談した。
3 リフレーミングを用いて、母親を「Eさんの将来を考えてくれる人」とした。
4 Eさんの進学の是非をカンファレンスで取り上げる。
5 専門学校のオープンキャンパスに同行することを、Eさんと母親に提案する。



問題61

エンパワメント・アプローチに基づく支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 利用者の自尊心の増強を支援する。
2 利用者の課題解決に向けて社会の変革を進める。
3 利用者に必要な社会資源を開発する。
4 利用者同士の連帯感を高めるよりも、個人のパワーレスの原因に着目する。
5 利用者の住む地域を問題解決の場としてとらえる。



問題62

ピア・カウンセリングに関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 当事者の体験的知識よりも専門的知識が優先される。
2[精神保健福祉法]でピア・カウンセラーは精神障害者相談員と規定されている。
3 情報提供よりも具体的な勅旨が重視される。
4 直接的支援よりも間接的支援を重視する。
5 同じような体験や立場を共有している。
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。



問題63

次の事例を読んで、R精神保健福祉士が行う初日の支援に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
  〔事 例〕
  Wさん(男性、35歳)は、10年前から統合失調症による入退院を繰り返し、3年前に退院してデイケアに通所している。最近になって他のデイケアメンバーが就職したことをきっかけに、Wさんも就職を希望し、S障害者就業・生活支援センターに相談した。3か月後、障害者試行雇用(トライアル雇用)事業を開始することになった。Sセンターの職場適応援助者(ジョブコーチ)であるR精神保健福祉士が職場で支援することとなった。出勤初日のWさんには仕事への不安と緊張が感じられた。
1 デイケアスタッフにWさんの職務遂行上の特性を開く。
2 事業所に最低賃金の減額特例申請をしてもらうよう依頼する。
3 採用担当者と十分に話し、事業終了後の継続雇用に向けて開係づくりを行う。
4 作業中はWさんの後ろに付き、声をかけながら見守る。
5 作業に入らず、S障害者就業・生活支援センターで休息することを勧める。



問題64

精神保健福祉士が行う社会資源の活用・開発に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 精神保健福祉の専門施設を中心に開発する。
2 社会資源充実のために精神障害者の意見に耳を傾ける。
3 セルフヘルプグループは、それ自体が重要な社会資源であるから、積極的に介入して組織化する。
4 生活支援に関する社会資源の活用では、再発予防を最優先の目標とする。
5 社会資源の活用に当たって、情報管理や利用窓口は行政に集中させる。



問題65

就職活動に当たり、障害を開示するか迷っている精神障害者に対する支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 主治医に医学的見地からの意見を聞くことを提案し、一緒に主治医のところに行った。
2 障害を開示して就職した場合の企業の配慮状況を確認するため、一緒に障害者雇用実態調査結果を調べて検討した。
3 就労移行支援事業所を利用し、そこでの体験を踏まえるよう提案した。
4 公共職業安定所における精神障害者の求職登録件数及び紹介による就職件数が年々増加していることを伝えて話し合った。
5 職業生活に伴う障害の影響とその程度を一緒に検討した。



問題66

ケアマネジメントに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 アセスメントでは,利用者自身の問題に焦点化する。
2 ケア計画の策定では、ケアマネジャーが他職種の業務分担を決める。
3 モニタリングでは、計画どおりに展関していない場合、終結にする。
4 事後評価では、利用者の主観的満足度よりも客観的評価を重視する。
5 終結では、再支援の可能性を考慮する。



問題67

自殺未遂者のケアに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 地域生活を支えるために、生活相談、法律相談等、多様な専門性を持った公的機関や民間機関等が連携してケアを行う。
2 自殺未達者の親族等も苦しみ、悩んでおり、自殺未遂者と同じようにケアについて配慮する。
3 自殺未遂者の親族等も本人のケアの重要な担い手となるので、その役割を果たせるように働き掛ける。
4 一人一人の個別性を配慮し、問題となっていることや自殺行動を抑制する因子を同定せずに対応する。
5 医療機関において心身両面でのケアを提供するとともに、急性期の治療が終了した後も継続した精神科的治療を行う。



問題68

精神障害者支援の生活モデルに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 調査,診断。治療の直線的アプローチを特徴とする。
2 精神障害者の人格の変容を援助の目標とする。
3 パターナリズムを援助関係の基本とする。
4 支援システムを家族や友人、職場などの参加の下で構成する。
5 精神障害者の問題を病理状態の反映ととらえる。



事例問題

 次の事例を読んで,問題69から問題71までについて答えなさい。
 〔事 例〕
Sさん(女性,29歳)は、複雑な家庭環境で育った。高校卒業後地方から上京し、働いていた飲食店の店長と結婚した。その後、夫の飲酒による暴力が契機でうつ病を発症し、R精神科病院入院中に離婚となった。退院後、生活保護を受給し、デイケアを利用しながら一人暮らしをしている。最近では,ファミリー・レストランで週3日のアルバイトを始めた。そこで別れた夫と偶然再会し、復縁を迫られていることについてY精神保健福祉士が相談を受けた。ある日、デイケアでY精神保健福祉士がSさんの手首にためらい傷をみつけた。驚いて面接したところ、元夫が「やり直したい」としつこく頼むので交際を始めたが、以前のような暴力が始まったので、苦しくて、死んでしまいたいと思って手首を傷つけてしまった。「別れ方が分からない」とのことであった。(問題69)
結局、元夫とは別れ、デイケア仲間のQさん(30歳,統合失調症)と結婚することになった。Qさんは地域でピア・カウンセラーとして活動している。Sさんは「お互い病気もあるので、大変だとは思います。
 でも、Qさんが過去のことを受け止めてくれたから、それが私にはとてもうれしかったんです。障害をもつ仲間を大事にするQさんを尊敬しています」と笑顔で語っていた。
しかし数週間後、他のスタッフから「Qさんの調子が悪いのよ。厳格なお父さんに『お前が養わないでどうする』と言われたんですって。自分が働かなくては……と焦っている」という情報が入った。Sさんからは、「最近ろくに話も聞いてくれなくて…。結婚したら家事に専念してって言うんです」と相談があった。(問題70)
 周囲のサポートでどうにか乗り越えて結婚し、1年が過ぎたころ、Sさんが妊娠したことが分かった。
 今は安定してデイケアとアルバイトを両立させているが、出産と育児に不安があり、Y精神保健福祉士のところに二人で相談にやって来た。(問題71)



問題69

Sさんに対するY精神保健福祉士の援助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
1 保護命令も視野に入れ、配偶者暴力相談支援センターヘの相談を勧める。
2 医療チームに情報を提供し、自殺企図を繰り返さないようにかかわる。
3 元夫のアルコール依存症が疑われるため、来院を促すよう助言する。
4 もっとひどい暴力を受けている人がいることを伝え、慰める。

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × × ○
3 × ○ × ×
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×



問題70

SさんとQさんへのY精神保健福祉士の援助に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A Qさんの焦りを軽減するために、Sさんに一時的に仕事を辞めるよう助言する。
B Qさんの父親に、ジェンダーバイアスを修正するためのカウンセリングを行う。
C ピア・カウンセリング活動に対するSさんの思いを含め、二人で話し合うことを提案する。
D Qさんのデイケア担当スタッフと情報を共有し、二人に対する援助の方向性を確認する。

1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D



問題71

Sさんと○さんへの支援に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
1 現在服用している薬の処方などの情報を産婦人科の主治医に伝え、精神的な状態に関する理解を得ておくことを助言する。
B 妊娠初期はうつ状態がひどくなる旺能性が高いので、母体の安全を第一に考え、入院を勧める。
C 不安を軽減するために、出産経験のあるデイケアメンバーに話を聞くことを勧める。
D Qさんにも育児に参加してもらえるよう、保健所で実施している[父親教室]に関する情報提供を行う。

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×




問題72-74 事例

次の事例を読んで。問題72から問題74までについて答えなさい。
(事 例)
 T精神保健福祉士はU就労継続支援事業所(B型:非雇用型)にサービス管理責任者として勤務している。U事業所があるK市は人口20万人の新興住宅都市であるが、市内には近年大規模な自動車工場が設立され、企業城下町になりつつあった。U事業所の前身は小規模作業所であり、家族やボランティアたちが、退院しても行き場のない精神障害者、作業活動に参加してみたいと願う精神障害者の希望を実現するために立ち上げた経緯がある。作業種目は、ボランティアの一人が得意であった編み物製品づくりと、家族のつてで、小さな企業から下請けで出してもらっているタオルの包装であった。ここで利用者20名が受け取る平均工賃は月に3,000円弱であった。障害者自立支援法が施行されてから工賃水準アップがいわれるようになり、T精神保健福祉士も、少しでもエ賃水準を上げなければという思いが頭の片隅にあった。あるとき利用者のGさんが工賃支給日に、「ここで仕事しても小遣いにもならないし、面白くないからもう来たくない」と発言し、Yさん、Hさん、Nさんなど若い利用者が同調した。それを目の当たりにしたT精神保健福祉士は大きな衝撃を受け、工賃水準アップに本気で取り組む必要性を感じた。(問題72)
 U事業所では、工賃水準アップを現実のものとするために、新たに企業と連携し、機械を活用した特殊製品加工に取り組んで付加価値の高い仕事を取り入れようと考えた。そしてT精神保健福祉士は行動を開始した。(問題73)
 工賃水準アップの取組を進める中で、市内の自動車工場にも思い切って仕事をもらう交渉に行った。その結果、機械の無償貸与を受けた上で仕事が受注できる可能性があった。しかし、発注を受けても期間内に納入すべき仕事量が多すぎて、とてもU事業所では対応できないことが予測された。(問題74)



問題72

Gさんたちの発旨を受けて、T精神保健福祉士がこの時点で取り組むことに関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
1 他の就労継続支援事業所の作業内容及び工賃水準について情報収集する。
2 外部コンサルタントに工賃水準アップヘの取組を依頼する。
3 職員、利用者及び家族による会議を開き、工賃水準アップの取組を検討する。
4 目標工賃を月額1万円に設定し、達成するための作業種目、作業工程を検討する。

1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D



問題73

T精神保健福祉士の行動に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 商工会議所を訪問し、特許を取って事業を行っている企業などを紹介してもらう。
B 高齢者から、K市で伝統的に利用されていた子ども向け遊具の作り方を聞く。
C 地域の企業家が多く参加するボランティア団体との連携を強める。
D ボランティア拡大の文書を作成し、市内に広く配布する。

1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D



問題74

この予測に対するT精神保健福枕上の取組に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 自動車工場の担当者に発注促進税制について説明する。
B 受注できる事業所や企業を集めてもらうことを公共職業安定所に依頼する。
C 市内の就労継続及び就労移行支援事業所に呼びかけ、共同受注できる体制を整える。
D 障害者支援施設団体に受注のコーディネータ一役を提案する。

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○



問題75-77 事例

次の事例を読んで,問題75から問題77までについて答えなさい。
(事 例)
 Eさん(女性。52歳)は、20代で統合失調症を発症し、入退院を繰り返していた。45歳の時に市の保健師に勧められ、地域活動支援センターI型に通い出した。その後は病状も安定し。昨年同居していた母が亡くなってからも母が遺してくれたお金と障害年金で単身生活が継続できていた。しかし3か月ほど前より、地域活動支援センターI型への通所を休みがちとなったことから、同センターのF精神保健福祉士がEさんを心配して自宅を訪問した。                                   |
 Eさんはプセンターでは皆と話もできるし、できれば行きたいんだけど通うのが大変。家の片付けも気になって外出もできない」と話した。生活状況を詳しく聞いてみると、食費に困っていないのにパンだけの食事で済ませていることが多かったり、掃除や洗濯も手が着けられていない様子がうかがわれた。(問題75)
 F精神保健福祉士は、生活上の困っている事や今後の希望などについて確認し、ケアマネジメントの利用を提案した。他人に気を遣うところのあるEさんは、しばらく迷っていたが、説明を聞いて利用を了承した。F精神保健福祉士は、ケア計画案を作成するとEさんにも確認してもらって、関係者が集まるケア会議を開くことにした。
 ケア会議には、Eさんの希望で普段から頼りにしている町内会長のGさん、友人のKさんも参加した。
しかしEさんが初めて顔を合わす専門職も多く、緊張した様子が見られた。会議では、F精神保健福祉士が提示したケア計画案を確認しながら、それぞれが提供できるサービスについて調整を行い、互いの連携体制についても意見が交わされた。最終的にEさんの希望を確認してケア計画が完成し、翌週から支援が開始されることとなった。(問題76)
 1か月後、F精神保健福祉士にEさんから「やっぱりケアマネジメントをやめてほしい。いろんな人に迷惑をかけているようで気がひける」と相談があった。(問題77)



問題75

Eさんの生活ニーズに合う社会資源に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 生活を立て直すためのレスパイトケア
B 家事援助のための居宅介護
C 通所支援のためのボランティア
D 経済的援助のための生活保護制度

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○



問題76

このケア会議でのF精神保健福祉士の役割に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 病歴や家族歴に関する詳細な情報提供
B 会議への主体的参加の促し
C 専門職による支援チームづくり
D Eさんが発言できる機会の確保

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○



問題77

Eさんの発言に対するF精神保健福祉士の援助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Eさんの1か月間の思いを聞く。
B 皆で決めたことなので。利用の継続をするよう勧める。
C 支援してくれる人たちとの話し合いの機会をつくる。
D Eさんの申出を受けてケアマネジメントを終了する。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○



問題78-80 事例

 次の事例を読んで,問題78から問題80までについて答えなさい。
(事 例)
 Wさん(45歳)の夫(50歳)は大手企業に勤務しており、2年前に課長に昇格した。着任早々残業が増え、元々酒好きなWさんの夫は大量飲酒の日々を送っていた。3か月前から,朝からの飲酒が見られるようになり、仕事上のミスと同時に欠勤も目立ち始めた。飲酒を注意するWさんへの暴力もエスカレートしていった。欠勤の連絡も自身でしなくなり,Wさんに隠れて近くの酒屋で飲酒することもあった。ある日、Wさんの夫は飲酒中に吐血し、一般病院に救急搬送された。その後、アルコール専門の精神科病院に転院
となり、アルコール依存症で3か月間の入院が必要と診断された。WさんはE精神保健福祉士との面談で、夫の急変ぶりに,どう対応してよいのか分からないと話した。そこで、E精神保健福祉士はWさんに院内の家族教室への参加を勧めた。(問題78)
 この家族教室は、アルコール依存症者の家族,約10名を対象としてグループワークを行うものであり、3期に分けて実施している。そこでWさんはE精神保健福祉士の説明を聞き,家族教室に参加することにした。
 1期目の最初は戸惑っていたWさんだったが、他の家族の体験談を聞く中で、自分の悩みが一人だけのものではないと実感でき、自身を見つめることができるようになってきた。
 回を重ねる中で、家族同士の意見が活発に交わされるようになり、リーダーシップをとることの多いSさんの発言が目立つようになってきた。やがて2期目の最終のミーティングを迎えた。(問題79)
 Wさんが参加する家族教室が3期目に入ったころ、夫の退院の日取りが決まったので、E精神保健福祉士はWさんと個別面談を行った。Wさんは「夫が飲み始めないかと不安なんです」と話した。(問題80)



問題78

E精神保健福祉IJが勧める理由に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
1 夫の飲酒で生じた課題をWさんの担う課題として認識できる。
2 Wさんの夫への対応方法を学べる。
3 夫の飲酒時におけるWさんの対応能力を査定できる。
4 アルコール依存症者の回復過程をイメージできる。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×



問題79

この場面におけるE精神保健福祉市の援助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
1 参加者の共通性を認識するため、体験談を話してもらう。
2 Sさんを媒介にして、アルコール依存症者への対処方法を意見交換する。
3 参加の目的を再確認し、3期目の目標を設定するために話し合う。
4 参加者同士の交流を目指して、波長合わせを行う。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○



問題80

この時のE精神保健福祉士の援助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
1 夫の断酒意欲を継続するため、夫と共に断酒会へ参加することを勧める。
2 夫の再飲酒時の相談窓口として、保健所の精神保健福祉相談員を紹介する。
3 イネイブラーの役割を果たすために、家族療法を受けるよう勧める。
4 家族同士の支援を行っているナラノンを紹介する。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×