おじいちゃん、おばあちゃんだったら誰でも知っている臍下丹田(せいかたんでん)

こんにちわ
喜屋カンナです。
1、2、3、で息を鼻から吸って、4、で息を止めて、5、6、7、8、9、10で息を口から吐く。これは、私の知っている呼吸法です。

でも、息を口から吐くことにどうしても違和感がありました。鼻から息を出す方が自然なのです。しかし、9、10、まで息を吐き続けるのが苦しくなり、8、ぐらいで息を吸ってしまいます。口から吐くのも、鼻から出すのも、大した差はないだろうと思っていました。が、

どこがおかしいか、やっとわかりました。肚(はら)に力が入っていなかったのです。

丹田(たんでん)呼吸法という呼吸法があります。なんと大正時代に大流行したというのです。

丹田とは、おへそから、指3本分したの部分を指します。ここに力をいれてゆっくり息を吐く。腹式呼吸における重要な部分です。70代、80代のおじいちゃん、おばあちゃんであれば、臍下丹田(せいかたんでん)をよくご存知だと思います。

昔の人は、日常生活で腰や肚(はら)に力をいれる必要があったので、深く腹で息をするということに慣れていました。

それは、和服だったからです。和服は、歩き方、座り方にその立ち振舞いを作り出さなければなりません。でないと、とてもだらしなく見えてしまいます。

例えば、男性の場合、腰の後ろを袴(はかま)で支えて、下腹、ちょうど臍下丹田(せいかたんでん)の位置で帯を結ぶ。そうすると腰がしっかり安定します。

この臍下丹田に力をいれて、ゆっくり息を吐く。これが腹式呼吸で重要だったんです。するとどうでしょう。10、11、12と吐き続けることができるのです。これによって、深くてゆっくりとした呼吸になります。

1、2、3、で鼻から息をゆっくり吸って、胸と腹を膨らませ、4、で止めて、5、6、7、8、9、10、で臍下丹田に力をいれて、ゆっくり息を吐ききる。これを繰り返します。そして、目を閉じて、呼吸に神経を集中すれば、瞑想に入れます。

やっとできました。気分がとてもいいです。

臍下丹田をはじめ、昔の人は、身体文化を身に付けていたんですね。

ここからは、齊藤孝「呼吸入門」からの一節です。きれいな文章です。

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切腹したり、辞世(じせい)の句を詠んだり、死というものがかくも様式化されて演劇化された形をとる文化も珍しい。己の腹をかっさばくのも、腹の中にやましいものは何もないと潔白を証明してみせるわけです。

武士は常に身体の形から入って、心の在り方を調えようとしました。
武士というのはいつでも意識が覚醒(かくせい)していて、闘いに備え、火急に際して即座に対応できなければなりません。それには肚(はら)が据わった構えが必要でした。

紋付き袴は常に乱れなくびしっと見せていなければならないので、曲がった背中などあり得なかった。素読の時間に腰が抜けたような状態、まして寝そべったような状態で本を読むことはあり得なかった。ちゃんと腰を立てて、声を出して読み続けるわけです。

「肚がある。肚がすわっている」というのは緊急のことに処しても落ち着いて判断できることです。

その精神性は、さまざまな身体の形に現れていました。
表情というのも一つの文化ですが、表情を変えないという訓練をしていたわけです。

どんな時にも苦しそうな顔をせず平然としている。あるいは自分にとって非常に都合の悪いことを持ちかけられても動揺を顔にださない。忍耐強く人間性に粘りっ気があった。

そうゆう自分の感情をコントロールできるというのは、受け継いだ文化あっての技であったし、美徳でもあったわけです。

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