日本人はコメント下手の国民である。

気の利いた一言を求められても、とっさに言葉が出てこない。アメリカ人のようにジョークを利かすこともなければ、フランス人のように人と変わったことを言おうとするわけでもない。何かについて意見や感想を問われたとき、「まあ、そうですね。いいんじゃないですか」「いやあ、すごくよかったです」という、わりと形式的な言葉で終始してしまう人が多いのである。これでは日本人がひじょうに知力が低い国民だと思われても仕方ない。

kannaのコメント

「まあ、そうですね。日本人はコメントが下手なんですね。日本では、沈黙が金(かね?)なんですよ。東京五輪とか」

優れたコメントとは、
(1)内容が面白い(見る視点がいい、角度がある切り口である)
(2)表現が面白い(気の利いた言語表現である)
のいずれかひとつ、または両方を満たすものである。

それではトレーニングしてみましょう。

<攻撃されたときにかわす>

【問題1】
今日はカリフォルニア州知事になっている俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーが知事選を戦っているとき、遊説先で観衆から突然、卵をぶつけられた。テレビカメラも回るその前でとっさに彼はこう言って、悪意の攻撃をかわした。さて彼はなんと言ったのだろう?
【答え】
「奴にはベーコンの貸しだ」
その他の答え、
「ゆで卵にしてくれ」
「塩胡椒をつけてくれ」
「おれが好きなのは温泉卵だ」

【問題2】
ある企業で経営者サイドがしきりに「事業は今踊り場にさしかかっている」と言いはじめた。それは開発チームに対するプレッシャーであり、結果を出せない社員にはやめてもらうという遠回しの通告でもあった。険悪な空気の中で開発チームは担当者はこう言ってその場の雰囲気をやわらげた。
【答え】
「この状況を打開できなければ、我々は一生踊りつづけなければなりませんので」

【問題3】
有名な志ん朝の落語で、のっぺらぼうの女性に対しての慰めを言う場面がある。「んな、んな、気にするこたァないよ、んなもん、なくったっていいんだよ。サバサバしていいじゃないか。ねえ!」と言ったあと、どう言って慰めたのだろう?
【答え】
「なまじ目鼻がついているんで苦労している女、いくらでもある」
これは使える文型ですね。いろいろ考えられます。
「なまじおしゃべりより、かえって静かなほうがいい」
「なまじ優秀より、素直なほうが、教えがいがあっていい」
「なまじきれいより、愛嬌があるほうが、親しみやすいってよく言ういうよね」

まとめ

カルホルニアの州知事アーノルド・シュワルツネッガーが、遊説先の観衆から突然、卵をぶつけられた時、テレビカメラが回るその前で、「奴にはベーコンの貸しだ」 といった。

企業の経営者が、「事業は今踊り場にさしかかっている」と言いはじめた。それは開発チームに対するプレッシャーであり、結果を出せない社員にはやめてもらうという遠まわしの通告でもあった。険悪な雰囲気の中で担当者はこう言ってその場をやわらげた。「この状況を打開できなければ、我々は一生踊り続けなければならなりませんので」。

「んな、んな、気にするこたぁないよ。んなもん、なくったっていいんだよ。サバサバしてていいじゃないか。ねえ?」と言った後、「なまじ、目鼻がついているんで苦労している女、いくらでもある」

先輩から「なにやってるんですか?」と言われたときは、「こうゆうことはあって七癖、なくて七癖ですから。すいませんね」と返す。

本題です。

齋藤孝さんは、著書「コメント力」で、羽生名人の説得力のあるほめ方を紹介しています。漫画界では最高の賞のひとつといわれる小学館漫画賞の受賞者能條純一さんへの将棋界の天才羽生善治からのお祝いの言葉です。まずは、その言葉から。

実をいいますと、私『哭きの竜 』の頃より能條作品のファンでした。ですから、その能條さんが将棋を題材に新作を描かれると聞いたとき、内心楽しみにしておりました。将棋と言う漫画になりにくい題材に挑み、しかも、そこを乗り越えられたのは、やはり能條さんなればこそと思います。「将棋を全然知らない人からみても『月下の棋士』って面白いね」と言う声をよく聞きます。その一方、私たちプロ棋士界では、劇中の登場人物を自分たちと重ね合わせ「このモデルは自分だ」「次は誰が出てくるのか」と毎回楽しみにさせてもらっています。とにかく、将棋に身を置く一人として”いい人にいいものを描いてもらった”とこころよりこの受賞をお祝い申し上げます。

どこがそんなにすばらしいのか?著者がいくつかの特徴をあげています。

それでは、その羽生名人の言葉に対して、コメントをつけてみましょう。

まずはじめに、コメントは考えるのではなく心の動きをそのまま文章にすればいいので、こころに浮かんだ言葉の切れ端を集めます。

こころに浮かんだ言葉の切れ端

①羽生さんが面白いというのだから、bookoffでまとめ買いして読もうかな?
②羽生さん結構プレッシャーをかけているなあ。だって、次は誰が出てくるのか毎回楽しみにしています。っていうことは、「月下の棋士」に出てこない棋士は、どうすればいいのか?
③授賞式だからいいのかな、いいものを描いてもらっ「た」と過去形で?

さて、早速学習したことを考えてみましょう。

1)日本人はコメントが下手である

これは一般論なので、取り立ててこの問題に応用しなくてもいいよね。と思いながらも、コメントがうまくなるということは、ビジネスチャンスがあるということですね。そっか、そういえば、コメディアンは、頭の回転が速いですね。

2)コメント力は、二次試験(面接)で必要になる

面接試験に羽生さんのお祝いの言葉を取り上げて、その中には、その1.決め台詞、その2.個人的な体験、その3.第三者の声が出てきますが、とかく仕事においても、このようなことを心にとどめて取り組んで生きたいと思います。なんて言うとどうなるだろうか?おーー、なるほどねっていう感じになるかも。

3)優れたコメントは、内容が面白い、表現が面白いこと

内容が面白いと言うことは見る視点が優れているということ。とりあえず自分の視点である必要がありますが、自分の視点とは何か?・・・・・・・・うーn難しい。

自分の視点なんで、自分のこころに浮かんだ言葉の切れ端を見直してみます。
①bookoffでまとめ買いして読もうかな?
②羽生さん結構プレッシャーをかけているなあ。③いいものを描いてもらったと過去形?。この3つですが、視点に使えそうなのは、②ですね。
「月下の棋士」に登場していない棋士を案じるファンの視点がありますね。
毎回の話が出るたびに、●●棋士の話がでていないか?を真っ先に探しているファンがきっといるはずです。どうか、●●棋士を登場させてほしい。●●棋士は、それほど強くはないが、負けっぷりがすごい。一手間違えると、そのままどん底に落ちていく崩れ方がものすごい。自分のこころが痛くなってくる。嫌なところを攻めてくる一手をかわしても、また一手。緊張感がはんぱない。こちらが手に汗をにぎってしまう。ゲームに負けても、勝負に負けても、こころに残る。それが良い勝負なのです。

視点を変えて、ファンの気持ちになってコメントしてみました。

4)「奴にはベーコンの貸しだ」の相手の行為を逆手にとるコメント

将棋が漫画になりにくい?棋士だって他の漫画の主人公と同じ人間だ。飯も食えば、恋もする。

5)「一生踊り続けなければならない」の相手の言葉を引用するコメント

羽生さんがそこまで言うんだから、漫画を全然知らない人でも、大人買いして読みたくなる。

「月下の棋士」?好きですよ。「将棋」?そんな面倒なものは、知りません。

なんとかできましたでしょうか。コメント力がつくと、面接に強くなります。 Blogにコメントを残して、コメント力を鍛えてください。