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防げたぼけを見逃したのは、がんこじいさんでした。

それでは、日曜日のうんちくをどうぞ!

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日曜日のうんちく 

高血圧はボケる?

脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆は「ぼけ」としてひとまとめにされていますが、

脳血管性痴呆は、今の医学で予防できる可能性が高いです。

最近になって脳ドックなどがさかんに行われ、脳のMRI(磁力線のよる断層撮影)でやたら小さな脳梗塞(血管が詰まって、脳組織が酸素や栄養不足になり、細胞が壊死又は壊死の状態になること)

が見つかり、手足の痺れや麻酔のない無症状の脳梗塞、あるいは隠れ脳梗塞といわれる脳梗塞が、思っていたよりずっと多くあることがわかってきました。

脳ドックを受診して

「あなたの脳の中には小さな脳梗塞がいっぱいありますが、でもまあ、年齢のせいだから心配ありませんよ」

そんな説明でショックを受けた人もおおいでしょう。

ところが研究が進むにつれて、小さな脳梗塞と思われていたところのいくつかは、脳の小さな血管と脳の組織の隙間であることがわかってきました。

今のMRIの診断能力では、本当に小さな脳梗塞なのか、隙間なのかは区別がつかないのが現状です。

一般的には、高血圧症があって、脳卒中の症状がなくても、小さな脳梗塞が見つかれば、脳循環改善剤を使用することが多いです。

脳循環改善剤は、抗血小板作用といって、血液をかたまりにくくする作用をもつから、脳梗塞の予防には都合がよいのです。

しかし、ぼけになる脳梗塞と、手足の麻痺だけの脳梗塞で、それほどはっきりした危険因子の違いは見つかっていません。

だから、脳血管症痴呆の予防は、今のところ、一般的な脳梗塞の予防と同じにかんがえられています。

Hさんは、脳血管性痴呆の75歳のおじいさんです。

広島で奥さんとふたり暮らしだったHさんは、奥さんが亡くなって、息子夫婦のいる東京へ出てきて同居をはじめたからだ。東京には知り合いの医者がいなかった。

「こっちに引っ越してきたので、血圧の薬がほしい」

そういってHさんは外来にきた。

「突然そんなことを言われても困りますよ。前のお医者さんでもらっていた薬は持ってきましたか?まあ、紹介状があればいいのですが」

「えーっ、そんな紹介状なんかいるんですか、血圧の薬だけでいいんですよ。血圧の薬は2週間前になくなったんです。一日2錠の薬を、一錠飲んで、持たせていたんですけどね。」

転居や転院するときに、前医からもらってくる紹介状の大切さ、あるいはそれをもらってくる権利のようなものを感じている人は少ない。

「血圧の薬を急にやめちゃったら、危ないですよ」

Hさんは

「やめても、別になんにも症状がでないから、いいと思っていました。」

「前から高血圧症がある人は、血圧が上がっていても症状がでないことが多いんですよ。とくにあなたのように、長い間、高血圧症だった人は、頭の中の血管が高い血圧に慣れてしまって、症状がでないんですよ。

逆にそこが危険なところなんです。健康な人に比べて、脳の血管が固くなっている証拠でもあるんです。」

「でも、くすりを飲んで、血圧が正常まで下がると、フラフラして調子が悪くてダメなんです。私は若いころから血圧が高いんです。だから高い方が調子がいいんです。」

Hさんは、危険である状態を理解していません。

「そんなときは、弱い薬で、半年くらいかけて、血圧を下げていかないとダメですよ。たとえ薬をのまなくても、血圧はときどき測っていないと、かなり血圧が高くなってもまったく気がつかない時がありますからね。」

血圧管理の大切さをいくら言っても、症状がない、くすりがいやだと言って、Hさんは通院を拒み、しばらく外来に来ませんでした。

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一年くらいして、Hさんは、市の健康診断のために外来に現れます。

「今、どうしてますか?血圧はちゃんと測っていますか?」

「今、調子がいいんで、測っていないんです。でもねえ、最近、フーラ、フーラして、歩くと時々よろけるんです。」

こうゆういわゆる一過性脳虚血発作の診断基準に入らない脳循環不全のような症状を訴えることが、高血圧を放置した人に多いんです。

これは非常に危険なサインです。

「それじゃ、念のために、頭のMRIをやっておいた方がいいですね。」

以前に比べ、話を聞くようになったHさんは、しぶしぶMRIを受けた。

一週間後、MRIの結果をみてあぜんとしました。

小さな脳梗塞もたくさんあったが、大脳皮質と呼ばれる脳神経細胞が多くある大脳の表面にも、大きな脳梗塞があった。だた、幸い、症状が出にくいところでした。

「Hさん、これは非常にあぶない状態です。偶然あまり症状の出ないところが詰まったからよかったようなもので、放っておくと、ぼけちゃいますよ」

「先生、もう、めまいも治ったし、塩っけひかえてみますから、いいですよ」

Hさんは、そんな返事しかせず、結局、2か月たつと、外来には現れなくなってしまいました。

それから半年たって、Hさんは、歩きにくいという症状で、息子さんに連れられてきました。その時の痴呆テストではすでに中ぐらいの痴呆になってしまっていました。

高血圧の人は、すでに脳の血管がその圧力に耐えていたため、血管がかたくなっているので、放置していると脳梗塞になりやすいということです。

脳血管性痴呆は、予防できる可能性が高いのです。

引用文献:介護の鉄則 米山公啓(医学博士)

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