臣下はもともと信用ならない
エコ:
韓非子によれば、優れた君主は二本の柄を握っているだけで臣下を押さえ込む
と言っています。
「明主(メイシュ)の導(ヨ)ってその臣(シン)を制(セイ)する所(トコロ)のものは、
二柄(ニヘイ)のみ」
二柄とは、賞を与える権限と罰を与える権限です。
フー:
まったくその通りだ。
臣下は、賞を与えれば、喜んで仕え、罰を与えれば震いあがる。
だから賞と罰を使い分けて、思いのままに操るしかない
もしこの権限を臣下に与えたら、
民は、権限をもった臣下を恐れて、君主のいうことなんかきかなくなる。
エコ:
実際、賞を与える権限と罰を与える権限を臣下にあたえて
滅んだ国はたくさんあります。
民をアメとムチで治める方法ですね。
フー:
臣下はもともと信用ならないと思って対応しないと
うまくいくわけがない。
罰則のない法律なんで、だれもしたがわない。
罰を与えて、賞をあたえる。これしかない。
エコ:
褒美をもらえれば、君主の命令とおり働き、手柄を立てようとします。
しかし
褒美をもらって力が付いてくると、君主の命令にいやいや従うようになり、
氾濫の機会を狙うようになります。
恐怖を与えて従えるやり方は、いつか行き詰まります。
恐怖を与えないムチと
徳のあるアメが必要です。
よろこぶや