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今日は、目撃者の話です。

刑事事件でもおなじみですが、目撃者の証言が容疑者逮捕の手掛かりになることが多いといいまが、その目撃者の証言が間違っていたらどうなるでしょう。

なぜなら、目撃者の証言は、まわりからの情報(事後情報)がインプットされると、変わってしまうのです。

ラトナー(Rattner 1988)は、有罪判決が出された後に、被告人の無罪が明らかになった事例で、誤った有罪判決となった原因の分析を行いました。

なんと、目撃者の誤った識別が原因だった事例が一番多く、全体の半数を占めていたのです。

おっと、衝撃な事実です。目撃者の記憶は、いつも正しいとは限らない?ということです。

それでは、日曜日のうんちくをお楽しみください。

日曜日のうんちく 

目撃者の記憶

目撃者の記憶は、裁判や事件の捜査に重要な情報をもたらすとともに、本当にその証言は正しいのだろうかということが問題となりました。

そのため、いろいろな研究が行われました。

その中で、ロフタスらによる実験を紹介します。

実験の手順は、実験参加者に交通事故のスライドシークエンスを見せます。

そのスライドシークエンスには2種類あります。

①事故が起きる前に、止まれ(stop)の標識の前で赤い車が止まっているスライド

画像の説明

②事故が起きる前に、譲れ(yield)の標識の前で赤い車が止まっているスライド

画像の説明

注:日本には、譲れの標識はありませんが、この標識は、前方を走っている車が優先するので、その車に進路を譲りなさいという意味です。

実験参加者の半数に、止まれ(stop)の標識の①のスライドを見せて、残りの半数に、

譲れ(yield)の標識②を見せます。

その上で、実験参加者にはいろいろな質問をします。

①のスライドを見た半数と②のスライドを見た半数の実験参加者に対する質問の中に、

A:「赤い車が「止まれ」の標識のところで止まっていた間に、別の車がそれを追い越しましたか?」

という質問(事後情報)が含まれていました。

また、のこり半数の実験参加者に対しての質問の中には、

B:「赤い車が「譲れ」の標識のところで止まっていた間に、別の車がそれを追い越しましたか?」

という質問(事後情報)が含まれていました。

これらの質問をした後に、標識で停止しているスライド2枚を同時に見せて、あなたがスライドシークエンスで見たのは、どちらのスライドかを尋ねたのです。

テストの結果、正しい事後情報を得られた実験参加者(①のスライドを見てAの事後情報を与えられた実験参加者、②のスライドを見てBの事後情報を与えられた実験参加者)

の正解率は71%だったのに対して

誤った事後情報を与えられた実験参加者(①のスライドを見てBの事後情報を与えられた実験参加者、②のスライドを見てAの事後情報を与えられた実験参加者)

の正解率は、41%しかいませんでした。

   引用文献:「記憶の心理学 太田信夫 第10章 日常記憶 伊東裕司」 
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実験でも明らかなように記憶は、事後情報で変わってしまう確立が高いということです。

つまり、事件の目撃者証言が事後情報(マスコミ報道や他の目撃者との会話)によって歪められている可能性が高いということです。

恐ろしいことです。

目撃者証言には要注意。



よろこ