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よろこぶやは、おじいさんおばあさんを応援します。

「性格と病気」という有名が調査があります。

それによると

時間にも〆切にもそれほどイライラしない、

のんびりしたタイプより自分に厳しく約束を守ろうとするタイプで、時間にイライラしていてゆとりのない人は、

心筋梗塞になる人が多い。

それでは、日曜日のうんちくをどうぞ!

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日曜日のうんちく 

怒りっぽいと心筋梗塞になる?

「・・・・」

Aさんは、48歳で部長になり、外来に来てもいつも仕事が忙しいというばかりだった。

のんびりと趣味のことなど話したことはない。

ゴルフで真っ黒に焼けて一見健康そうには見えるが、いつも話に余裕がない。

「人間っていうのは自分の生きがいを見つけて、それを実現しなけりゃつまんないじゃないですか。

わたしゃ寝たきりになるくらいなら、コロっと死んだ方がいいな。太く短い人生でも今の仕事ができればいいんです。」

だいたい外来ではこんな話の繰り返しだった。

「たまには息抜きをしないとダメでしょうに」

私が忠告したところで、

「仕事が息抜きですから」

そんな返事しか帰ってこない。

外来では、いつもせかせかして、手を握ったり開いたり、体をいつも緊張させているような感じで、見ているだけでこっちまでイライラしてくる。

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たまに外来の待ち時間があると、ナースを怒鳴りつけることもある。

「何時間待たせれば気が済むんだ。こっちは貴重な時間を割いて、医者に来ているんだ」

廊下からナースを叱り飛ばす声が聞こえる。しかし診察室に入ると急に態度が変わる。

「先生、最近は心臓がどきどきしめつけられるように痛くなるんだけど」

「そりゃ、狭心症かもしれませんね」

「そんな脅かさないでくださいよ」

「一度、入院して、詳しく心臓を調べた方がいいな」

「ダメですよ。今日はアメリカまで行かなくちゃいけないし、休めないな」

私の忠告も真剣にきかない。

「とにかく薬を出しておきますから。タバコはやめないと」

「これくらい吸わせて下さいよ」

病気の管理は身勝手さがあると実行は出来ない。

Aさんの場合は、仕事がすべて先行して、体のことを考える余裕はなかった。

その数週間後、救命センターから電話があり、

「先生が外来で見ていたAさんという患者さんが入院してきました」

救命センターの医者が連絡してきた。

「もしかして心筋梗塞?」

「そうですよ。冠動脈内腔拡張術でリカバーしてますけど、顔を出してもらえますか」

私はあわてて、救命センターへ行き、Aさんに会った。

「先生、ひどい目に遭いましたよ。まったく心筋梗塞なんて」

「だから言ったじゃないですか。仕事のしすぎですよ」

「まいったな。まだ仕事のけりがついていない」

「今はそんなことより、自分の命ですよ」

私は余裕をもつように話すが、仕事ができないことの方が、ストレスのようにすら見える。

Aさんは心臓発作も起きず病状が安定して退院した。

しかし、Aさんが世界規模で進めていたインターネット関連の会社が、外資に押され、吸収合併となった。

しばらくして、すっかりしょげかえったAさんが外来に現れた。

「先生、もう生きていてもしょうがないよ。自分の会社がなくなったら、生きていく気力もなくなったよ」

うつ病のように、顔に元気がなく、体重もかなり減ってしまった。

昔の攻撃的な態度は全くなくなった。

「でも人生が終わるわけじゃないじゃないですか。自分のやりたいことをやるのが人生だって言ってじゃないですか。何か他に目標を見つければいいと思いますけどね」

「先生、いまさらそんなに簡単に自分の生き甲斐がみつかるわけがないでしょう」

とは言っていたが、血液検査でもコレステロールが下がり血圧も以前のように突然高くなることはなくなった。

その後も外来で見ている限り、以前よりずっと健康的で、生き生きしてきたように見える。

もっとも違うことは話の内容だった。以前は仕事のことしか話題にならなかったが、家庭菜園の話などはじめるようになった。

「最近、閑なもんで庭で野菜を作りだしたら面白くてね。土いじりなんて、ずっとやってこなかったからな。子供のころはずいぶん遊んだけど、私はなにか忘れていたんですかね」

Aさんはいつもの緊張したせかせかしたところがなくなり、笑顔が見えるようになった。

「人生なんてものは、太く短くの方がよいと思っていましたが、大学の同窓で最近急死したのがいましてね。

自分の会社が時代にのって急成長していたんですよ。それがぽっくり死んだんです。勢いの乗った会社の影で、あいつの存在は日の目を見ることもなく消えてったんですよ

あれ見てたら、おれは生き残っただけよかったかと思いましたね。会社はなくなったけど、私の人生はこれからのような気がしますよ」

攻撃な性格では、自分をゆっくり見直すこともない。機会があるとしたら、病気をした時くらいである。

それも死なずに生き残るという幸運に恵まれないといけない。

多くの人は病を境に新しい生き方を見つける。

病気は、そう有意味では人生に余裕を持たせてくれることだってあるのだ。



引用文献:病気がクスリになる生き方 米山公啓(医学博士)




よろこ


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