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よろこぶやは、じいさん、ばあさんがより幸せになるように応援します。

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朝、早起きすると 静けさを感じられます。昼は雑音の中ですごしているので

時計の音なんて気になりませんが、静かだと気になります。

耳は、相対的に音を判断するのでしょうか。?

それでは、日曜日のうんちくをお楽しみください。

日曜日のうんちく 

学習療法

画像の説明

2001年、川島研究チームは福岡県の介護老人ホームで、音楽と計算のプリント

教材を用いたチャレンジを開始しました。

対象は、平均年齢83歳の高齢者47人。

レベルは人それぞれですが、どなたも多かれ少なかれ認知症の症状を持っておられます。

この方々に毎日、音読と簡単な計算問題に取り組んでもらいました。

時間は、音読と計算をあわせて一日に15分以内。

最初は、幼稚園児程度から小学4年生程度の教材を用いてスタートしましたが、

なぜかいやがる人が続出。子供向けの教材をそのまま使ったのでは、老眼の高齢者には、

文字が小さすぎることに気がついたのです。

あわてて拡大した教材を用意したり、挿絵や文章も大人向けのものにしたりして試行錯誤

が続きました。

取組がやっと軌道にのり、しばらくすると、実際に高齢者と毎日接している介護スタッフ

から驚きの声が上がるようになりました。

表情を失っていた高齢者に笑顔がもどった。顔つきがやわらかくなったということに始ま

り、オムツが必要だったのに、自分から尿意を訴えるようになった方もいると言うのです。

認知症によって排泄の自立を失った人がオムツなしの生活に戻れる、というケースは、

きわめてまれなケースです。

中には、軽度のアルツハイマー型認知症と診断されていた98歳の方が英語を勉強したい

と言いだし、100歳の誕生日までに英単語を100個覚えるという目標をもって、

学習を開始されました。

やがて、簡単なあいさつや、英語の歌まで歌えるほどになられたのです。

これは、まさに脳がバージョンアップした好例だと思います。

ところが

同じ時期に同じ施設に入所し、学習療法以外はまったく同じように介護を受けていた方々

には、こういった変化はみられませんでした。

つまり、

音読や計算といった学習療法が認知症の維持・改善、つまり脳の機能の低下防止に結び

ついたのです。

なぜ、音読や計算なのでしょうか。

最初は多少困難なことでも、繰り返し行うことで、脳はなれてきて、脳をあまり使わなく

てもできるようになっています。

自動車の運転を習いたてのころは、短時間運転するだけでも、とても疲れるのに、しばら

くしてなれてくると、そんなことはなくなる。

最初は、脳をフルに活用していましたが、学習によって脳は、もっとも有効な伝達回路を

選び出し、それを強化しようとします。

そのため、脳をあまり使わなくても、自動車の運転ができるようになるのです。

ところが、

いくら繰り返しても、脳の慣れがおこらない活動があります。

それが、文字を扱う行為と数字を扱う行為です。

この研究で、子供の脳も同じように活動することが確認されました。

小学校にはいったこどもたちは、教科書をみんなで声を出して読む。一桁の足し算や

引き算、九九を何度も練習する。

小学校の初期に行っている学習内容が、子供たちの脳を活発に働かせている。

学年が上がるにつれて、音読や計算で鍛えた脳をおおいに使って応用問題に取り組む。

まさに、脳の発達過程に適した教育システムなのです。



引用文献:遺伝子学者と脳科学者の往復書簡 村上和雄×川島隆太

よろこ