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よろこぶやは、おじいさんおばあさんを応援します。

50歳を過ぎているあなたの親は何歳ですか?

75歳を過ぎているのではないでしょう。

一人暮らしの親が心配という方々に、こんな話があります。

それでは、日曜日のうんちくをどうぞ!

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日曜日のうんちく 

人は歳をとります。

誰かと関わっていないと生きてはいけません。

でも、その誰かとの関わり方は、ほどよい距離感の関係でないと、ストレスがたまってしまいます。

ほどよい距離感が大切です。一人暮らしを選んだ話です。

娘夫婦との同居を断った話

娘夫婦が「家を建て替えてあげるから、一緒にすみましょう」と申し出てくれたことがあった。

わたしがだんだん老いてくのを見越して、親切心からそう言ってくれたのである。

最初はわたしも、娘や孫たちと暮らすのも、そう悪くないと思い、「いいわよ」と同意した。

ところが、落ち着いて考えてみると、だんだん億劫になってきた。

ひとりでそのままの暮らしを続けていれば、オンボロになってきたとはいえ、ぜんぶの部屋を好き勝手に使って生活できる。

しかし、娘夫婦と5人暮らしとなると、そうはいかない。

どう考えても、わたしが使えるのは一部屋だけだろう。

当然窮屈である。

孫たちにしても、たまに会うから可愛いのだ。

毎日ともなれば、気づかれするに違いない。

他人でも同性ならよいが、おムコさんといっしょのお風呂というのはイヤである。

何かの拍子にわたしのその言葉を聞いた娘は、「まったく失礼な」と怒っていたが。

そんなわけで結局断ったのである。

娘は少々おかんむりであった。

せっかくわたしのことを心配して、おムコさんをその気にさせたのに、その行為を無にして、と思うのは当然だろう。

「いいけど、じゃあお母様は一生、わたしたちを頼らないで生きていくのね」

という娘に、「はい、私はひとりで、ちゃんと最後まで生きていきます」とはっきり宣言したのであった。


とは言っても、一人暮らしは、よっぽどの決断が必要になりますし、強い意志が伴わないと、さびしくてやっていけません。

程よく、娘が関わってくれて、よい距離感が快適な一人暮らしが続いているようです。

94歳

ところで、94歳になる今になって、体があまりいうことをきかなくなってみると、

あの時に同居を受け入れておけばよかったかなと、少々弱気になることもある。

出かけることが少なくなると、妙に人恋しかったりするものだ。

でも、結局、同居しなくてよかったのだろうと思う。

もともとは他人であるおムコさんや、若い孫たちと毎日顔を合わせて生活していたら、

おたがい、ずいぶんストレスが溜まっていただろう。

一人暮らしを選んだからこそ、わたしはわたしで好きなように、わがままいっぱいに生きてこられた。

娘は娘で、おムコさんと私の間に入って、窮屈な思いをせずに済んだのではないだろうか。

娘には娘の人生、わたしには、私の人生。

そうやって割り切りながら相手のことを気づかう関係のほうがまことに心地よい。

それに、いま現在、毎日ヘルパーさんに来ていただいて家事援助をお願いしているが、

家族との同居の場合、そういったサービスは受けられないそうである。

人生、何にせよ、いい面はある。

娘は毎週二日、泊りがけで我が家にくるが、大変でも、やっぱりそのほうが、同居よりはずっと気楽なはずである。

未来のことは、わからないが、これまでずっとすこぶる健康であったように、この先もきっと健康であることを祈りつつ、しっかりとひとり暮らしを続けていければと思っている。

引用文献:60歳からのシンプル満足生活 三津田富左子




よろこ