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前頭葉

前頭葉は、思考や創造性、生きていくための意欲、情動に基づく記憶や実行機能を司る高度な判断を行う部分で、40歳からの老化によって、他の脳の部分より早く萎縮(いしゅく)が始まります。
前頭葉の萎縮によって、計算力や理解力が衰えるということはないのですが、思考や想像の切り替えができなくなったり、向上心がなくなったり、思考が頑なになったりします。
前頭葉の萎縮によって、具体的にどのような状態になるのでしょうか。

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思考や想像の切り替えができない!

前頭葉に障害(萎縮など)がおきると保続(ほぞく)という症状が現れます。
保続とは、思考や想像の切り替えができなくなって同じことを繰り返す症状をいいます。

保続の患者に計算問題をだすと、計算して答えを出しますが、次の新しい計算問題を出しても同じ答えを答えてしまいます。このような症状を保続といいます。

ところが、前頭葉に障害がなくても、機能が衰えてくると、保続のような現象が現れます。
たとえば、高齢な方と話しをしていて、成功体験が繰り返される時があります。いつまでも同じ成功体験を繰り返して話すような場合です。

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向上心がなくなる!

感情を司る前頭葉の機能が衰えると意欲や自発性の低下が起きます。
高齢になってから起業するひとが少ないのは、まさに前頭葉の機能が衰えてくるからです。
自発性や意欲がなくなり、欲望がなくなっているのです。
欲望がなくなると「なにもやるきがない、何をやってもつまらない」という状態になり、欲望をコントロールする前頭葉が使われなくなくなり、ますます意欲や自発性が低下します。

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思考が頑なになる!

思考が頑なになると、わかった気になっています。
これは、すこし厄介な現象で、経験ですぐに物事を判断してしまって、実はそれほどわかっていないのです。
実際、分かっていることを人に説明しようとする、詳細を質問されると、説明できず、知らないことが多いのです。
つまり、名前だけですべてわかっているかのように思ってしまうのです。

こうなってしまうと、探求心がなくなります。
また、自分の経験で理解していることに異論をはさまれると、その意見をわかろうとしません。人の話を聞かない頑固なじいさんになってしまいます。

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前頭葉を刺激するには

前頭葉は複雑で偶発性の高い、先の読めないことが起きると刺激されます。
かなり高度なことでも、ルーティンワークになれば、頭頂葉や側頭葉で処理されてしまい、前頭葉は刺激されません。
たとえば、先の読めないこととは、株式投資、ギャンブル、起業、恋愛などです。

わくわく、どきどき、失敗しないだろうか、次は失敗を繰り返さないようにしようとか、予想外なことが起きると前頭葉はフル回転です。

ところで、思ったことを実際試してみると、なかなかうまくいかないものです。
うまくいかなったり、壁にぶつかったります。
逆に、おもったよりうまくいった場合は、喜びを感じます。

このようなことは、会社働いていれば、いつも出くわすことですが、このことが前頭葉を活性化しているのです。

定年退職し仕事から離れると、このような刺激がなくなり、前頭葉が活性化しないうえに、萎縮していきます。
前頭葉を活性化させるには、試行し、失敗してなんとかしようとする。成功して喜びまた試行する。

自分の意欲の湧くことをみつけて、行動に移しましょう。

参考文献:定年後の勉強法 和田秀樹著