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壊れたクーラーを取り換えたおかげで、空調は節電運転、快適です。

でも、夕方には、クーラーがいらなくなりました。

それでは、日曜日のうんちくをお楽しみください。

日曜日のうんちく 

インタビュー

インタビューの仕方というのは難しいものです。

こちらが素人なのに、プロに対して失礼なことを聞いていたんじゃ、何も話してくれません。

相手が知り合いならともかく、知り合いでない場合は、かなり相手のことを調査しておかないと、うまくはいきません。

映画監督ゴダールへのインタビューの話です。

画像の説明

映画監督ゴダールにインタビューをする企画を立てました。

ところが、映画監督ゴダールは大物なので、なかなか合う予約がとれません。

やっとのことで合えることになりましたが、「映画祭に出店するフィルムの編集の追い込みなので、その仕事をしながらでよければ」という条件つきでした。

もちろん構いませんということで、スイスのレマン湖まで出かけていきました。

インタビュアーは、フランス文学者で映画評論家の蓮賀重彦です。

ゴタールの仕事部屋のドアを開けたところまではよかったが、思いもよらない危機に陥ってしまいました。

脇目も振らずに仕事に没頭するゴタールを目のあたりにした瞬間、一体どうゆう質問から切り出せばよいかわからなくなって頭が真っ白になってしまいました。

蓮賀重彦は、ゴダール映画に詳しいし、インタビューに行くのだから多くの質問事項も準備していました。

しかし、あの偉大なゴダールが仕事を中断して話をする気になる質問だろうかと言えば自信がありません。

ゴダールもどこか不機嫌そうです。

職人タイプは、なぜか、とっつきにくいし、実際はそうでなくてもいつも不機嫌そうに見えるものです。

何かひきつけることを言わなければ、という焦りにつつまれ、必死で瞬間的に頭をフル回転させます。

さて、

この時彼は、どんな質問をしたでしょうか。

この質問で、ゴダールは即座に仕事を止めて身を乗り出してきて、二人は一気に意気投合しました。

たとえば

「私はあなたの映画のなかでは・・・が好きですが、ご自身では何が一番好きですか」

とかが、まず普通に考えられる質問ですが、面白味がありません。

「もう、ご飯食べましたか。まだでしたら、一緒にいかがですか」

では、本筋の質問で仕事を止めさせているわけでもなく、意気投合ともいきません。

最悪なのは、

「あなたにとって映画とは何ですか」

という類の質問です。

これは、失礼な質問です。こんなことを一言で言えというのは、非常識きわまりないし、

いそがしく仕事に集中しているときの最初の質問なので、逆に怒りをかうかもしれません。

「なんであんたに言わなきゃならないんだ」なんて言われそうです。

「私にとって映画は愛です」

とでも言ってもらいたいのなら、「自分で言ってろっ」て言われそうです。

では、蓮賀重彦は、このように切り出しました。

「あなたの映画は、だいたいどれも一時間半ですが、それは、あなたの職業的な倫理観からくるものでしょうか」

これは、非常に優れた質問です。

相手が一番関心をもって取り組んでいる作業に合わせています。いままさに、フイルムをカットして編集中なのです。

また、相手のことをキチンと勉強していることもわかります。

そのほか、長い映画が多くなってきているという映画界の問題点がわかっていることも伝わります。

その上、相手のプロ意識を刺激しています。

せっかく取ったシーンのフィルムを切り捨てなければならない痛みは、プロのみが知る痛みです。

普通の人は、見ている映像のことしか考えません。カットされた部分に想像力を働かせることはないのです。

この質問は、完全にゴダールのツボにはまって、

「よくぞ言ってくれた、そうそう、まったくそうなんだ、今の監督たちは、平気で3時間以上の長い映画をそのまんま出しているが、観客の立場からすると、一時間半のいい映画を2本見られるほうがずっといいはずだ。プロとしての努力がたりない。」

という感じで話がもり上がった。

相手に認めてもらう。つまり、なかなか面白いやつだ。と思ってもらわないと話は続きません。

熱く語り合えるには、それだけの熱をお互いにもっている必要があります。

それだけ、勉強していることが、最低限必要です。

つまり、自分が熱くなっている必要があるのです。

いい質問は、そこから生まれます。

したがって、かるがるしく聞けない雰囲気というのも、悪いとばかりとはかぎりません。



よろこぶや!認定心理士に挑戦

放送大学の授業のなかで認知神経科学が好きです。

それでは、その模様をどうぞ。




よろこ